移動平均線を使ったFXテクニカル分析の方法は複数あります。
移動平均線の基本を覚えたら「グランヒルの法則」を覚え、
テクニカル分析に活かしましょう。
グランヒルの法則とは?
前回の記事でご紹介したように、
移動平均線の基本は、設定した期間の平均を表した線でした。
移動平均線の基本はコチラ↓
値動きの平均である「移動平均線」の法則を発見した方が「ジョセフ・E・グランヒル」
その名前から【移動平均線の法則=グランヒルの法則】と言われるようになりました。
グランヒルの基本と傾向
「グランヒルの法則」考案者であるジョセフ・E・グランヒルは、
この法則により移動平均線と市場価格との間に見られる相互の関係から、
4つの「買いシグナル」と4つの「売りシグナル」を読み取ることができると言っています。
グランヒルの法則① 移動平均線から離れても、移動平均線に戻ってくる
移動平均線とは、設定した期間の平均を表した線ですので、
市場価格が平均線から離れた場合は、平均値への回帰(平均値に近づく)が起こります。
どういうことか一度画像を見てみましょう。
この画像は、日足で「200SMA」を表したチャートです。
画像の①を見てみましょう。
①は移動平均線から大きく離れた後、平均線へ戻っています。
このように、平均値より離れても、長い目で見たら結局は平均値へ戻っていくことを
統計学的には【平均値への回帰】といいます。
このことを踏まえて、画像の③④⑦⑨も見てみましょう。
③④⑦⑨も同様に、200SMAから大きく離れたあとは、必ず平均線へ回帰しています。
グランヒルの法則② 移動平均線に近づいたら、また離れていく
FX相場では、トレンドとレンジを形成する際、
ジグザグの波を繰り返しながら進んでいくと紹介しました。
「ジグザグの波」とは、平均値から「離れては戻り、戻っては離れる」を繰り返しながら、
一つのトレンドやレンジを形成している状態のことを指します。
画像の②⑤⑥⑧⑩⑪を見てみましょう。
一度平均線に近づいてきた相場が、また平均線から離れていってます。
このようにFX相場では「平均線に近づいたら、また離れていく」傾向があります。
平均線から離れたら平均線に戻る
平均線に近づいたら平均線から離れる
という2つの法則があることを知って頂けたと思います。
では、あと2つの法則を知っておきましょう。
グランヒルの法則③ 移動平均線で反発することが多々ある
ここからは「移動平均線の法則」ではありますが、
FXの基本ラインである「トレンドライン」「サポートライン」「レジスタンスライン」の
ライントレードの法則に似た傾向があります。
画像の⑤⑩⑪を見てください。
⑤⑩⑪では、離れていた価格が平均へ戻り「移動平均線で反発」しています。
移動平均線は、ライントレードの各ラインと同様に
「移動平均線で反発する」傾向があります。
⑤⑩では移動平均線が「レジスタンスライン」
⑪では「サポートライン」の役割になっています。
今回の画像にはありませんが、移動平均線が「トレンドライン」になる場合もあります。
このように移動平均線は、ただ平均を表示している役割だけでなく、
移動平均線により市場価格が反発することが多々あります。
グランヒルの法則④ 移動平均線を抜けた場合、抜けた方向に大きく動く
こちらの法則も、ライントレードの法則に似た傾向があります。
画像の②⑥⑧を見てください。
②⑥⑧は市場価格が移動平均線に戻ってきて、移動平均線をそのまま抜き、
抜けた後は、抜けた方向に大きく動いています。
ライントレードの「ラインブレイク」の傾向に似ていますね。
このように移動平均線を抜けた場合は、抜けた方向に動く傾向が多く見られます。
以上の2つをまとめると、
移動平均線で反発する場合がある
移動平均線を抜けたら、抜けた方向に大きく動く
という傾向があることを知って頂きました。
これで「グランヒルの4つの法則」を学びました。
あとは、この4つの法則を使って、どのようにトレードするのか?
「グランヒルの法則」使い方、トレード手法
グランヒルは、4つの「買いシグナル」と4つの「売りシグナル」を
読み取ることができると提唱しています。
【買い①】
移動平均線が下降した後に横ばい、
または上昇に転じた時、市場価格が平均線を上離れてきたら買い。【買い②】
移動平均線の上昇中に市場価格が移動平均線よりも
下方にまで下降する場合は買い。【買い③】
市場価格が移動平均線よりも上方にあり、
移動平均線に向かって下降するが、移動平均線を下抜けずに
再び上昇に転じたときは買い。【買い④】
上向きだった移動平均線が下降に向き始めた時
市場価格が急激に移動平均線よりも下方に向かった場合、
市場価格は短期的にも移動平均線に向かって上昇する可能性がある。
この一時的な上昇は大幅なものになる可能性があるので買い。
【売り①】
移動平均線が上昇した後に横ばい、あるいは下降し始めた時、
市場価格が移動平均線から下放れし始めたら売り。【売り②】
移動平均線が下降している最中、市場価格が移動平均線よりも
上方に上昇してきたら売り。【売り③】
市場価格が移動平均線よりも下方にあり、移動平均線に向かって
上昇するも上抜けずに下降に転じた場合は売り。【売り④】
下降していた移動平均線が、上昇に転じた後、
市場価格が急激に移動平均線よりも上方に上昇した場合、
市場価格は移動平均線に向かって下降する可能性がある。
この一時的な下降は大幅なものになる可能性があるので売り。
このように合計8つのシグナルがあります。
ココまで細かくこだわらなくても良いかと…
移動平均線から大きく下に離れたあと、戻りだしたら買い。
移動平均線から大きく上に離れたあと、戻りだしたら売り。
移動平均線から離れた市場価格が、
平均線に戻ってきた時に反発したら、反発した方向にエントリー。
平均線に戻ってきた時に平均線を抜けたら、抜けた方向にエントリー。
こんな感じでOKだと思っています。
利確する時も考え方は一緒ですね。
戻りだしたら利確、反発したら利確、抜けたら続行or損切り。といった感じです。
【グランヒルの法則】は、市場を先読みする時、
エントリーや利確をする時など、様々なテクニカル分析に役に立ちます。
グランヒルの法則をマスターして、FXテクニカル分析に活かしましょう。
まとめ
- グランヒルの法則とは、移動平均線の法則。
- グランヒルの法則では「買いシグナル」と「売りシグナル」を読み取ることができる。
- 法則① 移動平均線から離れても、移動平均線に戻ってくる。
- 法則② 移動平均線に近づいたら、また離れていく。
- 法則③ 移動平均線で反発することが多々ある。
- 法則④ 移動平均線を抜けた場合、抜けた方向に大きく動く。
- ライントレードの法則に似た傾向がある。
コメント