FX相場の傾向を分析する手法として
「エリオット波動理論」という分析方法があります。
エリオット波動理論の基本と傾向を学び、
FX相場の傾向を読み取り、テクニカル分析に活かしましょう。
エリオット波動理論とは?
米国のチャーチスト「ラルフ・ネルソン・エリオット」が、
約75年間の「NYダウ」の株価波動を分析して発見した
「相場サイクルの波動理論」が「エリオット波動理論」です。
「エリオット」は、相場の動きには宇宙や自然の法則のような、
普遍的な法則と同じ動きがあることを見出しました。
このエリオット波動理論は「フィボナッチ」が大きく関係しています。
フィボナッチの参考記事↓(基本数列などはリトレースメントに記載)
- リトレースメント
- Expansion
- Fan
- タイムゾーン
エリオット波動理論の基本
エリオット波動理論には、3つの特徴があると言われています。
- 波動パターン
- 比率
- 時間
この中で最も重要なのが「波動パターン」と言われています。
エリオット波動理論の「波動パターン」
エリオット波動理論は、相場の1サイクルが
「上昇5波」と「下降3波」の「計8波」で構成されているという理論です。
実際に見てみましょう。
上昇・下降・上昇・下降・上昇= 計5波
下降・上昇・下降= 計3波 =「合計8波」となります。
上昇中の②と④は下降していますが、エリオット波動理論での表現は、
「上昇②波」と「上昇④波」という表現です。
下降も同じで、下降中の②の波は上昇していますが「下降②波」
もしくは「下降B波」と表現します。
同じ値幅の動きなのに、上昇時には時間をかけ、ゆっくりと上昇しているのに対し、
下降時には上昇にかけた時間よりも早く下降し、一つの波の値幅が大きくなっています。
FX相場の傾向は「上昇はゆっくり・下降は急」
エリオット波動理論の傾向
エリオット波動理論を実際にトレードに使用するといっても、
「コレ!」といった明確なトレードサインでではなく、
「理論」ですから、相場の展開予想に加えるのが一般的です。
「上昇5波完成後、急下降しだしたから、もう1波、大きな下降の波があるかも?」
「買いエントリー後、そろそろ上昇5波が完成するから利確をしておくべきかな?」
など、今後の展開の予想に使いましょう。
上昇5波がそろそろ完成するから、売りエントリーだ!
なんてことは絶対やめてください。
あくまでも「その傾向がある」という理論なので、
上昇トレンドが続く事もありますし、下降トレンドが続く事ももちろんあります。
トレンド参考記事↓
エリオット波動理論のココだけは覚えておこう!
エリオット波動理論の「一つ一つの波」には特徴があります。
その大事な部分(使える部分)だけ覚えておきましょう。
上昇波の傾向
上昇①波が長すぎると「上昇トレンドが始まらない場合がある」
上昇①波が長く続くと、
その後「急下降」などをしやすくなり、上昇トレンドが始まらない可能性がある。
上昇②波が、押し戻されると「ダブルトップ」になりやすい。
①波の底まで押し戻されると「ダブルトップ」といった、転換サインになる可能性が高い。
「ダブルトップ・ダブルボトム」参考記事↓
上昇③波は上昇幅が大きく、長い上昇になりやすい。
上昇②波で反発が確認されたら、
上昇トレンドが本格的に始まったと見られ、大きく長い上昇になりやすい。
上昇④波は、複雑な動きが多い。
利確や押し目買いなどが入り乱れ、複雑な動きになりやすい。
押し目買い、参考記事↓
上昇⑤波は短くなりやすい。
上昇③波が短い時は、上昇⑤波が長くなることが多い。
下降波の傾向
下降①波は、上昇④波の底がサポートラインになりやすい。
上昇が終わり、下降し始めた場合、
上昇④波の底値が「サポートライン」になる傾向がある。
サポートラインの参考記事↓
下降②波が、上昇⑤波の高値を越えると、上昇トレンドの可能性が高い。
下降②波が上昇⑤波を越えると、新たなトレンドが始まったか、
上昇トレンドが継続している可能性が高い。
下降③波は、下降①波の底を抜けると下降が加速し、大きく動く。
下降①波を越えると、多くのトレーダーが「下降トレンド」と判断し、更に下降が強まる。
まとめ
- 相場サイクルの波動理論が「エリオット波動理論」
- エリオット波動理論は「フィボナッチ」が大きく関係している。
- 相場の1サイクルが「上昇5波」と「下降3波」の「計8波」で構成されているという理論
- FX相場の傾向は「上昇はゆっくり」「下降は急」という傾向がある。
- 「理論」であるため、エントリーサインなどに使わず、相場の展開予想に使う。
- エリオット波動理論の「一つ一つの波」には特徴がある。
以上を踏まえて、今後の展開、市場の動きの予想で「エリオット波動理論」を活用しましょう。
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